写真の基礎

背景がボケる写真の4条件をまとめてみた

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一眼レフで撮った写真が綺麗と言われる理由の一つは、被写体の前後の大きなボケじゃないでしょうか。

このボケには、大きくボケる条件というのがあって、知っているのと知らないでは大違いです。 ボケる条件を覚えることで、撮りたい写真のイメージに合わせてボケ具合をコントロールできるようになり、一歩も二歩も上達しますよ!

そこで今回は、そのボケる条件についてまとめてみたいと思います。

被写界深度

ボケの条件を書く前に、ピントの事を少し理解するする必要があります。
多くの人は、ピントが合うという言葉は使うと思いますが、この言葉だけではどれくらいの範囲にピントが合っているのかを表現するのは難しいですよね。

そこで、写真の中のピントが合っている範囲の事を、被写界深度という言葉で言い表します。
深度というだけあって、ピントが合っている範囲が広い場合には、被写界深度が深い、狭い場合には、被写界深度が浅いと表現し、写真のピントが合っている領域の幅を表現します。

そして、この被写界深度から外れた前後の領域が、ボケる領域になります。 中〜上級者の人は、被写界深度という言葉を使用するので覚えておくと良いでしょう。 この被写界深度が浅くなると、写真のボケ具合が大きくなってくるので、ボケる条件というのは、被写界深度を浅くする条件とも言えます。

ボケる条件(被写界深度に影響する要素)

被写界深度に影響する要素は、以下の4つがありますので、それぞれ説明していきます。

  • F値
  • 焦点距離
  • センサーサイズ
  • 被写体距離

F値(絞り)

1つ目の条件は、F値です。
この値が小さくなる程、被写界深度は浅くなり、大きくなると深くなります。

下の例は、絞りを1段ずつ絞った写真です。熊の木彫りを注目すると、絞るにつれてボケている状態から徐々に輪郭がしっかりしてくるのがわかりますよね。

2019052101

ちなみに、レンズには、最小絞りの値がそれぞれ決まっていますので、F値の小さい明るい単焦点レンズの方が、被写界深度が浅くより大きくボケた写真を撮れることになります。
なお、撮影時のF値であるので、単焦点レンズでも絞りを絞って撮影すれば、被写界深度の深い写真を撮ることも可能です。より幅広い撮影ができる事から、明るいレンズが高価でも重宝されています。

絞りについては、以下の記事でも解説しているのでご覧ください。

【写真の基本】カメラの絞り機能の役割/使い方について解説するよ!

焦点距離

2つ目の条件は、焦点距離です。
焦点距離が大きい方、つまり望遠になるほど被写界深度は浅くなり、広角になるほど被写界深度は深くなります。

下の例は、カメラの位置は固定し、どちらも絞りをF2.8の状態で、70mmと200mmで撮影しました。これは、一目瞭然で右の200mmの方が明らかにボケていますよね。

2019052102

人物撮影などでは、背景をボカすために、中望遠の85mm〜200mmあたりがよく使用され、ポートレートレンズとも呼ばれています。 逆に、広角レンズになると、被写界深度が深くなり、明るいレンズを使用してもあまり大きなボケは得られません。 ちなみに、全面ピントが合っている状態の事を、パンフォーカスといい、そのような写真を撮る場合には広角レンズが使用されます。

センサーサイズ

3つ目の条件は、センサーサイズです。
結論から言えば、使用するカメラのイメージセンサーが大きいカメラほど被写界深度が浅く、イメージセンサーが小さくなるにつれて深くなります。

ちょっと難しいのですが、原理上は、センサーサイズは小さい方が被写界深度は浅くなるものなのです。ですが、センサーサイズが小さくなるとそれに合わせてレンズの焦点距離が短くなって被写界深度は深くなり、被写界深度に影響する要因が二つ発生します。このうち、この焦点距離が短くなる点の方が影響が大きいため、結果的にセンサーサイズが小さくなると被写界深度は深くなるということになるのです。

下の例は、カメラの位置や設定、レンズは全く同じにして、カメラだけフルサイズとASP-Cに変えて撮影したものです。ボケ具合を見てみると同じレンズなので、どちらも同じ具合ですよね。
ただ、レンズは50mmを使用していますが、ASP-Cの方は焦点距離が35mm換算で80mmになってしまいます。 焦点距離(画角)の80mm相当がフルサイズの50mmのボケ具合が同じと考えると、ASP-Cの方がボケ具合が小さいということになってしまいます。

この点は、やや理屈がややこしいのでセンサーサイズが大きい方がボケると覚えるのでもOKかなと思います。

2019052103

35mm換算についてやセンサーサイズについては、以下の記事にまとめていますのでご覧ください。

レンズ選びの基礎知識!フルサイズ換算ってなんだ?を解説するよ!

カメラを選ぶ時には理解したい!イメージセンサーとレンズの基本の「き」


スマートフォンやコンパクトデジカメのカメラは、殆どボケませんが、これは、センサーサイズが極小のためレンズの焦点距離は数mmでしかなく、
このため明るいレンズを搭載していても焦点距離が短いためボケません。
最近のスマートフォンでは背景をぼかして撮れるモードがありますが、これはスマートフォン内で画像処理を行い、ソフト的に背景をぼかす処理を行っているだけで、レンズの自然なボケではありません。

被写体距離

最後の条件は、カメラから被写体までと被写体と背景までの距離です。
カメラと被写体に近い方が、より被写界深度は浅くなり、遠くなるに連れて被写界深度が深くなります。

これは何となく感覚的にわかりやすいですが、例えば5〜6m離れた被写体と数十センチ離れた被写体と比べた場合、互いに数センチ動かした時に、近い被写体の方が相対的な移動距離が大きいため、ボケへの影響が大きくなります。 対する遠い被写体の方は、元が距離が離れているだけに数センチ程度ではあまり変化はありません。また、背景が離れるほどよりボケていきます。 下の例を見ると、グッと寄って撮っている右の方が木彫り熊がボケているのがわかります。

2019052104

4要素のまとめ

被写界深度に影響する4つの要素をまとめると以下の通りです。

被写界深度
深い 浅い
F値 大きい 小さい
焦点距離 短い 長い
イメージセンサー 小さい 大きい
被写体距離 遠い 近い

被写界深度というのは、上の表の条件の組み合わせでボケ具合が決まります。

もし、撮影時に背景のボケ具合を大きくしたい時や小さくしたい時には、レンズを交換したり、距離を調節するなど、表の条件に変更することでボケ具合をコントロールすることができます。

下の作例のように、とにかく前後をボカした写真を撮りたいという場合には、開放F値が小さい望遠レンズをフルサイズカメラにつけて、可能な限り被写体に近づいて撮ると最大ボケるって訳ですね。
ちなみに、この写真はフルサイズカメラに100mm F2.8のマクロレンズを使って撮っています。

2019052105

まとめ

当記事のまとめ!
  • ピントが合う範囲の事を被写界深度という
  • 被写界深度に影響するのは、「F値」「焦点距離」「センサーサイズ」「被写体からの距離」
  • F値は、小さいほどボケる
  • 焦点距離は、大きいほどボケる
  • センサーサイズは、大きい方がボケる
  • カメラが被写体に近づき、背景が離れるほどボケる

今回紹介した背景がボケる条件を覚えておけば、背景のボケ具合を自在にコントロールできるようになるので、撮影の幅が広がること間違いなしです。

最初はわかりにくいと思いますが、頭の片隅にでも条件を置いておけば、撮影を続けるうちに自然と覚えられるようになるので頑張ってみてくださいね!

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